こんにちは。ぽんたです。
記憶日記「6ヶ月ぶりの仕事inドイツはオスナブリュック。サーカスRでの年越し。」シリーズ第二弾です。
第1弾では、キシナウからイスタンブール経由でハンノーバー空港まで行き、そこで親切なおじさまの手を借りてなんとか列車の切符を買い、ハンノーバー中央駅で乗り換えるところまで記憶を辿って綴りました。
今回の投稿はその続きです。
その親切な男性は、荷物を運ぶのまで手伝ってくれ、電車が少々遅れたため短くなった乗り換えもなんとか間に合った。
キャリーバックもリュックも列車に乗せたし、あとは自転車用のでかいダンボール箱だけ、と息をつこうとしたとき、
ドサッ!!と音がした。
何事かと思って振り返ると、私の夫が列車とホームの隙間にダンボール箱を掲げた状態で仁王立ちしている。
どうやら箱で列車とホームの間の隙間が確認できず、落ちたらしい。
その場に居合わせた通行人も大丈夫?!といった感じだ。
しかもどうやったら片足だけでなく2つの足いっぺんに列車とホームの間に立てるのだ?
一番本人がびっくりしていて、夫はいささかパニック状態になっており、すぐさま這い上がって列車に乗ったものの、後に続く乗客全員の荷物を運ぶのを何故か「手伝いましょうか?手伝いましょうか?」と手助けし、それが終わってから改めて
「めっちゃ痛いいいい」とうずくまるのであった。
どうやら両スネを列車の入り口のせり出ている部分に打撲&擦りむきながら落下したらしい。
ジーンズにも血が染みている。
スネの傷は自転車トライアルでは日常茶飯事であるとはいえ、さすがに今回は痛そうだ。
骨折や捻挫などをしなかったのは不幸中の幸いで、契約のために、金稼ぎのためにはるばる来て、その移動途中に骨折なんてしたらたまったもんじゃない。
これだけですんで良かった、と言いつつも、急いでいても、焦らずに足元はよく注意しなければいけないね、と言うしかなかった。
とまあ、気をつけていても、大きな怪我は予期せぬところか降り注いでくるもので、この契約中でも、とある女性アーティストがトレーニング中に落ちそうになったダンベルを取ろうとして小指を骨折した。(それでもステージに立ち続け、契約期間を終えた。)
サーカスアーティストは、怪我が付き物ではある職業なのだが、大抵の場合、すぐに代役を立てることは難しい。
その日にもうショーがあるからだ。なので、私も右膝を捻挫しながらポールダンスのナンバーや夫のアシスタント(そのナンバーは不幸にも私のダンスパートが結構あった)をやったこともあるし、
マメがズル剥けていてもポールをつかまなくてはいけない時もあった。
もちろんソロの場合、技などは変えれるのだが、自分の持ち時間は何かやらなくてはならない。ショービジネスなので、プロ野球のようにピッチャーの肩の消耗なんて考えてはくれない世界なのだ。
それに、3日探せば変わりはいくらでもいるような世界でもあり、私のようなB級アーティストは必死に仕事にしがみついて自分のあた得られたポジションにしがみつかなければ食べてはいけないのである。
(そういえば、胃腸炎で熱が38度あった時もやらされたな、、、これはさすがにキツかった。)
話を元に戻す。
ハンノーバー中央駅からオスナブリュックまでは、なんだか特急列車のようだった。チケットもなかなかの値段で、日本でいう新幹線だったのかもしれない。(もちろん新幹線の方が何倍も綺麗)
ここでは、女性の車掌さんがチケットを確認しにくる。なので今回はオスナブリュックまで何駅が聞くことができ、無事にオスナブリュック中央駅に到着できた。
さて、これからが問題だ。事前にオフラインでも使える地図をダウンロードしておいたものの、夜になって真っ暗なので方向がよくわからない。
もっと栄えている街を想像していたのだが、埼玉でいうと桶川くらいで、駅の周りにこれといった目印が見当たらない。
交番のお巡りさんを見つけたので、最初の方角はわかり、少し不安ではあるが頑張ってサーカスまで到達しなければならない。
住宅街の方に大荷物を抱えた2人がゾロゾロゴロゴロ行く。
マリファナの匂いがするたびに2人でニヤニヤする。
タクシーを捕まえればいいのだろうが、2人とも異国の地のタクシーに乗る気にはなれず、(ぼったくられたら嫌なので)
綺麗なクリスマスの飾りつけのなされた大きい家たちを横目に移動する。
二十分ほど歩いて、やっとサーカスRに着いた!
着いたはいいが、自分たちのキャラバンを見つけるのに時間がかかり、見つけたもののそこには自分たちの大道具のパーツがあり、
電気を接続しなければならず、
自分たちがつきましたよ、と知らせねばならなかったりと、着いてからもすぐにはねれない。
しかも、キシナウの家を朝6時に出発して、ドイツの現地時間夜9時すぎに目的地に着き、お腹も空いてヘトヘトで、でもドイツのスーパーは閉まるのが早く、もう間に合わない。
なんとか頑張るけど、2人もこの大荷物の移動に相当疲れているので痴話喧嘩が多くなる。
明日は私の就労ビザのアポイントがあるのに、集合時間と場所がわからない。というのも我々はこの異国の地ですべてのネットワークから圏外である。
まずは、ステージを作っているテントへ行き、主要人物とのコンタクトを試みる。
テントの中はまだ照明チームが作業をしていて、自己紹介をしつつ、明日のことを誰に聞けばいいのか尋ねてみる。
みんな人ごとにしないで、誰か呼んできてくれた。それはプロダクションの長の双子の兄弟だった。
それで、今から自分の兄弟を呼ぶからここで待ってて、と言われ、待っていると同じ顔が来た。
背が高くてイケメンだ。30代半ばくらい。私はほんのり恋心を感じつつ、結婚するの早かったかなあ、でも夫がいなかったらここに来れてないしなあ、と思いを巡らし明日に備えて休むのであった。
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