2020年4月22日水曜日

2020年4月22日、ブラジルはフォルタレザより近況報告〜サーカスライブ配信。救世主太っちょナルシスト〜

こんにちは、ぽんたです。

もっぱらショーのできない我々が今いるサーカスですが、つい先日動きがありました。


4月18日にテレビショー撮影、4月19日にyoutubeチャンネルにてライブ配信を行ったのであります。


動画の画面スクショ


もちろん我々も夫婦で参加いたしました。


今でもこのサーカスのyoutubeチャンネルに残っているので、興味のある方は

cirqueamarofficial 👈こちらをクリックしてページへジャンプしてください。


このサーカスは、たいていのサーカス同様家族経営で、それでもなかなかたいした規模で普段は2つに分かれております。


それがこの度の感染症の一件で活動休止が余儀なくされ、経営者ファミリーの次男坊、通称(私の中のみ)太っちょナルシスト(ブログ用に少し表現をこれでもやわらくしてはいます)は普段から我々がいる方のサーカスで、ディレクターのような立場にいるのですが、こいつが一肌脱いでこのサーカスの存続をかけいろいろ企画し実行したのであります。


オーガナイズの仕方はドイツのサーカスRを経験した我々にとっては正直不満もあるのですが、

こういう特殊な何局面で、太っちょナルシストはなかなかの活躍っぷりで私はとても感心しているのであります。


もともと私、個人的に、普段はサーカスアーティストやダンサーで太っている方に対してあまり良い印象を持ってはいません。



我々はお客様の前に立って身体表現をする以上、スタイルは努力して美しくあり続けなければいけないと思っているからです。


一般の方々と同じような体型ではあってはならない、あくまでもファンタジーの世界で働いているので、日常をステージ上に続けてきたような体型ではあってはならないと、立っているだけで美しい肉体美を感じさせなければならないと思っているからです。



あとは、以前の同居人がぽっちゃりした子で、その子の怠慢メンタリティがあまり好きではなかったというのもあります。以前一緒に仕事したぽっちゃりも、プロ根性が感ぜられず、怠慢さが目につき、一緒に仕事したくない、と苦手意識が根底にあります。


メンタリティが体型にあわわれるとも思っているので、アーティストという職業を選んだ以上見た目には厳しく敏感にあるべきだ、というのが私の持論です。大柄のキャラクターの人は別にして、、、。


そして、そのような価値観をもった人間はこの職業世界には多いとも感じています。


なので、このサーカスのディレクターの太っちょナルシストへもあまり肯定的な印象ではありませんでした。業務連絡の取り方や遅さにプロフェッショナルさを感じなかったからです。


しかし、このような難局面で太っちょナルシストならではの活躍をしたので、なるほど太っちょナルシストもいてくれてサンキューな存在なんだなと気づいたのであります。


それは、ナルシストならではの、しゃべり。このディレクターは以前よりマイクで喋るのが得意なんだということはショーで喋っているのを見て気づいていましたが、


このトーク力が今回の撮影、配信でも光っていました。そして、太っちょならでは、声も力強く、悪くないのです。


そして人格者ではないため、ビジネスにも長けているようなのです。人からお金を取る時に感じてしまうあの罪悪感をこのディレクターは感じないようなのです。


今回彼がたてた企画は、テレビショー、ユーチューブでの配信を通して、ファンから寄付を募るというものでした。


確かに、サーカスはその場所にいるだけで場所代、クルーの生活の光熱費がかかります。移動しようにもかなりのお金がかかります。ショーができないということは、このサーカスのアーティスト、従業員の生活にダイレクトに関わってくるのです。


そこで太っちょナルシストは、歴史あるサーカスファミリーの存続に救いの手を!と自分の持論を主にインスタグラムを通して長々と世間に訴え、


このようにサーカス文化は重要であるため是非寄付を、という文言のもと今回の企画に至ったのであります。




これは、このサーカスの経営ファミリー陣の顔ぶれを見てもこの人格者ではない太っちょナルシストにしか成せないで技であったとおもいます。


彼は自分の持論をナルシズムの果てに熱く語ることができ、それがカリスマ性を帯びていました。


フィナーレのあとも、彼の自己陶酔のスイッチは抜けず、ポルトガル語だったため何を言っているかはさっぱりわからないものの、何か熱く語り続け、なんとなく人種や言語間を飛び越えて一つにまとまったようなそのような錯覚さえ与えるのでした。



彼はこのような状況になったとたんいち早くユーチューブチャンネルをこさえ、最初はぼそぼそとクオリティの低い宣伝動画をあげていましたが、このライブ配信が終わる頃にはチャンネル登録者数は7000人を超え、ライブ配信も1万人以上が視聴するというところまでこぎつけたのであります。


22日現在にはすでに動画には広告も表示され、ユーチューバーとして収益化できる位置までこの短期間で行き着いたのも、それを行動に移して持論を世間に熱く語りカリスマ性を作り上げた


この太っちょナルシストならではの活躍であったと思います。


寄付はいかほど集まったのかはわかりませんが、今後はYouTubeからの広告収入も多少は入りましょうし、この難局面を支えるにあたり重要なプロジェクトであったと思います。


ちなみに今回の企画でなんで命がけでそこまでするのだろうと、目が潤んだ瞬間がありまして、


それは最後のグローバル、という球体の中をオートバイでぐるぐる回るものなのですが、通常は5人のところを、テレビショーでは8人、ユーチューブでは10人でチャレンジしたことであります。


この配信のためにアーティストたちは練習に練習を重ね、どうすれば成り立つかを思考錯誤し、やってのけました。ここまでやるなんて、クレイジーです、良い意味で。さすがにウルウルきました。

我々アーティストとしては、自分たちが表現できる場所を企画してもらえただけで、こののんべんだらりとした期間に少しでも刺激になるような場所を与えてもらえただけで、


やはり自分たちの場所はステージであると再認識させてもらえただけで十分な企画だったのであります。


そもそも、契約を失い国に返され自宅待機をするアーティスト仲間が世界中にたくさんいる中で、このサーカスのキャラバンに住まわせてもらってるだけでも大変ありがたいのです。


持論をまくしたて正当化し、寄付を募る。それが、サーカスファミリーの存続に一役買っているのであります。ナルシストにしか成し遂げられないことが、地球上にはごまんとある、そんなことを気付かされた二日間でした。


少なくとも私たちもステージに上がる時は自分を信じなければいけないし、カリスマ性を帯びせなければいけないので、ナルシズムと謙虚さの合間を行き来する必要があるようにも思います。



自己陶酔をしすぎて突っ走るとただのイタイやつですが、ナルシズムと客観的な目をバランスよく使いながら自分の理想の表現へと突っ走っていきたいと思います。



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